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2009夏季セミナーのご報告(2日目 観光)
あふれる夏への開かれた扉
昨夜はよく寝られましたか。今日は夏季セミナー2日目の日曜日、観光組は18人です。徒歩で名所を楽しみましょう。予定されたコースは、宝塚市手塚治虫記念館と宝塚ガーデンフィールズの英国庭園「シーズンズ」、それから皆で中華料理の昼食です。
早速、ホテル若水から最初の目的地、手塚治虫記念館に向かいます。その橋を渡って、川に沿ってゆったり歩くことにしましょう。浅い、さほど速くない流れに、意外と高くから日が射してまぶしい。ほら、まっしろな鳥が雲のかけらのように、軽やかに飛んでいきましたよ。静かな、のどかな、ゆとりの一日になりそうです。
空には雲ひとつない快晴で、暑い一日になりますね。ゴルフ組はどうしているでしょうね。ああ、そこが宝塚大劇場です。このまま通り過ぎて、もう、手塚治虫記念館が見えてきました。
* まるで今 *
手塚治虫記念館では、年代順に並べられた手塚治虫の作品の数々を、思い思いに楽しんでください。そうですか、子供のころにテレビで見た作品がありましたか。懐かしくご覧になっているんですね。あちらにもたくさん展示がありますよ。へえ、小学二年生でこんなに完成された絵を?!手塚治虫の天才ぶりに感嘆ですよね。
すみません、つい、見入ってしまって。初めて手塚治虫のノートや写生などを目にしましたが、手塚治虫の描く線にはどれも、色があるように見えるんです。違いますよ、色といっても、電磁波の可視領域の波長の違いによって生じるあの色ではなくて、色や香りというときの、本当は目には見えない雰囲気のようなものです。そんな色が、黒いインクで引かれた一本々々の、どの線からも感じられて、ただただ見とれてしまったんです。
こちらも、どうぞご覧になってくださいな。手塚治虫の医学生時代のノートです。顕微鏡で覗いた細胞などの標本のスケッチが残されています。ノートの紙は茶色に変色して、手塚治虫の手を離れてからの年月を感じさせますよね。だけど標本のスケッチはまるで、今そこに、まだ標本があって、手を伸ばせば指が触れるような臨場感ではありませんか。
おみやげも置かれていますよ。アトムの絵の付いたTシャツや、リボンの騎士やブラックジャックの絵柄が入った缶のゴーフル。見てください、Tシャツの胸部に大きく付けられたアトムの絵、視点を変えると絵
柄が変わって見えるんです。すごいでしょ!ほら、ね?!わあ、人だかりができてしまいました。こちらから見ると、アトムの内側の構造が浮かび上がるんですよ。これだけの部材をこのように組み合わせれば本当にアトムになるのかもしれない、と思われるほど細部まで描き込まれていますよね。えっ?もう、まったく、誰ですか。この構造、クレームに書いたら...第30何々部、とかになって大変やな...だなんて言っているのは。
ちょっと待って、皆で写真を撮りましょう。もっと寄ってください。それじゃ、はい、撮りますよ。
* 宝塚だから *
手塚治虫記念館から宝塚音楽学校を横目に少し歩くと、すぐに宝塚ガーデンフィールズに入ります。外灯もご覧になりましたか。かわいらしくすずらんの形です。ここはもう、英国庭園「シーズンズ」のすぐ外です。せせらぎが作られて、ザリガニを採る子供たちが楽しそうですね。水を飲んでいるのは、岩の割れ目から取り出したばかりのエメラルドを冷たく深い川の水に落としてみたような、はっとするような緑の胴体に、雨が上がった新月の夜のような黒い羽根のトンボ。なんておしゃれなトンボ。あはは、さすが宝塚、ですか。
こちらが、いよいよ英国庭園です。この季節、色とりどりの可憐な花が一面に広がるということはなく、むしろ、金色の穂を揺らすススキや、様々な緑のグラデーションを味わうことができます。正午が近づいて日差しはますます強く、太陽に睨みつけられているのではないかと思うほどの熱を感じますね。木蔭にいらっしゃいませんか、少し涼むことができますから。庭園の案内をしてくれるガイドさんの説明をずいぶん熱心に聴いていらっしゃいましたね。本当、どれも同じような葉に見えますから、説明がなければ見落とすところでした。葉っぱを摘み取ったときの匂いや味に特徴があるものもたくさんあるんですね。この葉っぱ、口に入れてみてください。あっ気をつけて・・・ほらね、舌が痛いほどの強い味でしょう!ああ、あっという間に1時間が経ってしまいました。
* あふれる夏に *
英国庭園にはたくさんの植物がありますから、別の季節に訪れればまた違った表情を見せることでしょう。あまりに暑い夏は、植物にとっても決して過ごしやすい季節ではないような気がします。それでも、夏を耐えた植物のあふれる力強さに押されるようでしたよね。そうですね、手塚治虫も自然が好きで、昆虫を好んでスケッチしていたのでした。子供のころから自然に親しんでいて、そのまま興味が宇宙につながった、と。手塚治虫ならこの囲まれた庭にも、スケッチしきれないほどのあふれる自然を感じるのかもしれません。
昼食は中華料理店「龍坊」で、皆さんおいしい料理に舌鼓を打ち、また、くつろいで談笑を楽しまれたようですね。
さあ、宝塚駅に着きました。午後1時過ぎ、ここで解散です。そんな、また来年だなんて。そうですよ、近々、ですよ。ええ、秋に例のセミナーを開催しますから。2日間、どうもありがとうございました。お気をつけて。またぜひ、次の会合でお会いしましょう。 (吉岡 亜紀子)

昨夜はよく寝られましたか。今日は夏季セミナー2日目の日曜日、観光組は18人です。徒歩で名所を楽しみましょう。予定されたコースは、宝塚市手塚治虫記念館と宝塚ガーデンフィールズの英国庭園「シーズンズ」、それから皆で中華料理の昼食です。
早速、ホテル若水から最初の目的地、手塚治虫記念館に向かいます。その橋を渡って、川に沿ってゆったり歩くことにしましょう。浅い、さほど速くない流れに、意外と高くから日が射してまぶしい。ほら、まっしろな鳥が雲のかけらのように、軽やかに飛んでいきましたよ。静かな、のどかな、ゆとりの一日になりそうです。
空には雲ひとつない快晴で、暑い一日になりますね。ゴルフ組はどうしているでしょうね。ああ、そこが宝塚大劇場です。このまま通り過ぎて、もう、手塚治虫記念館が見えてきました。
* まるで今 *
手塚治虫記念館では、年代順に並べられた手塚治虫の作品の数々を、思い思いに楽しんでください。そうですか、子供のころにテレビで見た作品がありましたか。懐かしくご覧になっているんですね。あちらにもたくさん展示がありますよ。へえ、小学二年生でこんなに完成された絵を?!手塚治虫の天才ぶりに感嘆ですよね。
すみません、つい、見入ってしまって。初めて手塚治虫のノートや写生などを目にしましたが、手塚治虫の描く線にはどれも、色があるように見えるんです。違いますよ、色といっても、電磁波の可視領域の波長の違いによって生じるあの色ではなくて、色や香りというときの、本当は目には見えない雰囲気のようなものです。そんな色が、黒いインクで引かれた一本々々の、どの線からも感じられて、ただただ見とれてしまったんです。
こちらも、どうぞご覧になってくださいな。手塚治虫の医学生時代のノートです。顕微鏡で覗いた細胞などの標本のスケッチが残されています。ノートの紙は茶色に変色して、手塚治虫の手を離れてからの年月を感じさせますよね。だけど標本のスケッチはまるで、今そこに、まだ標本があって、手を伸ばせば指が触れるような臨場感ではありませんか。
おみやげも置かれていますよ。アトムの絵の付いたTシャツや、リボンの騎士やブラックジャックの絵柄が入った缶のゴーフル。見てください、Tシャツの胸部に大きく付けられたアトムの絵、視点を変えると絵
柄が変わって見えるんです。すごいでしょ!ほら、ね?!わあ、人だかりができてしまいました。こちらから見ると、アトムの内側の構造が浮かび上がるんですよ。これだけの部材をこのように組み合わせれば本当にアトムになるのかもしれない、と思われるほど細部まで描き込まれていますよね。えっ?もう、まったく、誰ですか。この構造、クレームに書いたら...第30何々部、とかになって大変やな...だなんて言っているのは。ちょっと待って、皆で写真を撮りましょう。もっと寄ってください。それじゃ、はい、撮りますよ。
* 宝塚だから *
手塚治虫記念館から宝塚音楽学校を横目に少し歩くと、すぐに宝塚ガーデンフィールズに入ります。外灯もご覧になりましたか。かわいらしくすずらんの形です。ここはもう、英国庭園「シーズンズ」のすぐ外です。せせらぎが作られて、ザリガニを採る子供たちが楽しそうですね。水を飲んでいるのは、岩の割れ目から取り出したばかりのエメラルドを冷たく深い川の水に落としてみたような、はっとするような緑の胴体に、雨が上がった新月の夜のような黒い羽根のトンボ。なんておしゃれなトンボ。あはは、さすが宝塚、ですか。
こちらが、いよいよ英国庭園です。この季節、色とりどりの可憐な花が一面に広がるということはなく、むしろ、金色の穂を揺らすススキや、様々な緑のグラデーションを味わうことができます。正午が近づいて日差しはますます強く、太陽に睨みつけられているのではないかと思うほどの熱を感じますね。木蔭にいらっしゃいませんか、少し涼むことができますから。庭園の案内をしてくれるガイドさんの説明をずいぶん熱心に聴いていらっしゃいましたね。本当、どれも同じような葉に見えますから、説明がなければ見落とすところでした。葉っぱを摘み取ったときの匂いや味に特徴があるものもたくさんあるんですね。この葉っぱ、口に入れてみてください。あっ気をつけて・・・ほらね、舌が痛いほどの強い味でしょう!ああ、あっという間に1時間が経ってしまいました。
* あふれる夏に *
英国庭園にはたくさんの植物がありますから、別の季節に訪れればまた違った表情を見せることでしょう。あまりに暑い夏は、植物にとっても決して過ごしやすい季節ではないような気がします。それでも、夏を耐えた植物のあふれる力強さに押されるようでしたよね。そうですね、手塚治虫も自然が好きで、昆虫を好んでスケッチしていたのでした。子供のころから自然に親しんでいて、そのまま興味が宇宙につながった、と。手塚治虫ならこの囲まれた庭にも、スケッチしきれないほどのあふれる自然を感じるのかもしれません。昼食は中華料理店「龍坊」で、皆さんおいしい料理に舌鼓を打ち、また、くつろいで談笑を楽しまれたようですね。
さあ、宝塚駅に着きました。午後1時過ぎ、ここで解散です。そんな、また来年だなんて。そうですよ、近々、ですよ。ええ、秋に例のセミナーを開催しますから。2日間、どうもありがとうございました。お気をつけて。またぜひ、次の会合でお会いしましょう。 (吉岡 亜紀子)

